ブレーカーをオフにすれば、該当するエリアの電力が遮断され、その結果、電気製品が使えなくなります。
これは電気料金の節約にはなるものの、同時に不便をもたらす可能性があります。
例えば、電気製品が動かなくなると、冷蔵庫が冷えなくなったり、Wi-Fiやインターホン、エアコン、セキュリティシステムなど、生活に必須な機能が停止します。
ブレーカーは単なる電気のスイッチではないため、繰り返しのオン・オフは推奨されていません。
ただし、災害時や長期の不在時など、特別な状況下でブレーカーを切ることは適切な行動と言えます。
一週間や一ヶ月程度の留守であれば、待機電力の消費は少ないため、わざわざブレーカーを操作する必要はありません。
定期電力が気になる方は、ワットモニターなどで実際に測ってみるとよいでしょう。
使わないブレーカーは切るべき?
基本的に、使わないブレーカーをオフにする必要はないとされています。
長期間、電化製品を使用しない場合には、単にプラグを抜くだけで充分です。
しかし、停電や災害時の避難の際には、安全を考慮してブレーカーをオフにすることが勧められます。
これは、電力が回復した際に家電から発火するリスクを減らすためです。
ブレーカーをオフにすることのメリット
ブレーカーをオフにすることの主なメリットは二つあります。
一つ目は、停電が解消された時の火災のリスクを下げることができる点、二つ目は電気代の節約ができる点です(ただし、基本料金は除く)。
長期間家を空ける場合には、ブレーカーをオフにしておくことで電気を節約できるでしょう。
ブレーカーをオフにすることによる節電の効果は、どのような電化製品をどの程度使用しているかに依存します。
多くの電力を消費する家電を頻繁にオン・オフする場合、節電にはなりにくいでしょう。
家庭では、ブレーカーを切るよりも、プラグを抜いたり節電タップを使用する方が、実用的な選択肢かもしれません。
今の電化製品は、待機電力の消費が非常に少なくなっており、中には待機電力がまったくないようなものもあります。
そのため、ブレーカーを切ることでの節約効果は、以前ほどは大きくないと言えます。
実際、2022年に買ったエアコンの待機電力をワットモニターで測ってみたのですが、微々たるものでした。
待機電力がどのくらいなのか知りたい場合は、ワットモニターを使う方法もあります。
もちろん、使用中の電力もわかりますよ。
ブレーカーを切った時のデメリットは?
ブレーカーを切ると、家の中の電力供給が止まり、接続されている電気製品に電気が来なくなります。
これにより、使用していない電気製品の待機電力を削減し、電気代を節約できるメリットがあります。
しかし、電力が供給されなくなることで、いくつかのデメリットも伴います。
具体的なデメリットとしては、以下のようなことが考えられます。
- 冷蔵庫や冷凍庫の中の食品が溶けたり腐ったりする可能性があります
- テレビや録画機器が使えなくなり、録画したい番組を予約できなくなります
- 寒い時期は、給湯器が凍結し、故障する恐れがあります
- 時計機能付きの電化製品の日付がリセットされることがあります
- 電話、FAX、Wi-Fiルーター、インターホンなどの通信機器が動かなくなります
- ホームセキュリティシステムが機能しなくなり、家の安全が確保できなくなります
- 空調や換気システムが停止し、家の中の快適な環境を保てなくなります
- 電化製品を再び使えるようにする際に、時間がかかったり、余計な電力を消費したりすることがあります。
ブレーカーを切ることで電気代を節約できるというメリットはあるものの、上記のデメリットを考えると、生活の質に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、給湯器のように、正常に機能するために電力の供給が必要なものもあるため、ブレーカーを切ることでその機能が停止してしまう恐れがあります。
かつては、冬場に家庭用エアコンのブレーカーを切ると故障の原因になると言われていたそうですが、最近のエアコンではその心配はなっています。
わが家の取扱説明書にも、そうした注意書きはありませんでした。
ブレーカーの頻繁な操作について
ブレーカーは、電気を家庭で安全に利用するための保護装置です。
一般的な電源スイッチと違って、ブレーカーは電気の流れを日常的にコントロールするためのものではありません。
そのため、ブレーカーを何度もオン・オフする行為は推奨されません。
ブレーカーの使用は、停電や災害時の安全措置、または家を長期間空けるような場合に限定して考えるべきです。
一般に、ブレーカーの寿命は約13年とされています。
頻繁にオン・オフを繰り返すと、その寿命を縮め、場合によっては3~5年で交換が必要になることも指摘されています。
さらに、電化製品によっては、電源を入れた瞬間に大量の電力を一時的に消費するものがあります。
例えば、テレビや録画機器は電源を入れると、番組情報を更新するために一時的に多くの電力を使用します。
節電を目的にブレーカーを毎日切る人もいますが、この方法が予期せぬ電気代の増加を引き起こす可能性があること、そしてすべての家電に効果的ではなく、実際に節約できる金額が少ない可能性があることを考慮する必要があります。
結果として、ブレーカーを頻繁に操作することで得られる節約効果よりも、装置の寿命を縮めるリスクの方が大きいかもしれません。
ブレーカーを下げると電気料金はどう変わる?基本料金への影響は?
ブレーカーを下げる(オフにする)ことで、家電製品への電力供給が止まります。
これにより、電気の消費量が減少し、それに伴い電気料金も節約できることになります。
この効果は、プラグをコンセントから抜くことと同じです。
家のすべてのブレーカーをオフにした場合、その期間の電気料金はゼロになります。
ただし、基本料金は消費量に関わらず一定の金額がかかります(1500円など)。
電気を一切使わなかったとしても、この料金は発生します。
基本料金がない特別なプランを選んでいる場合を除き、通常の契約では基本料金を減らすことはできません。
ブレーカーを下げたり、プラグを抜いたりするだけで、必ずしも電気料金が大幅に下がるわけではありません。
電源を入れる際に多くの電力を消費する家電があるため、頻繁にオンオフすることが逆にコストを増やすこともあります。
例えば、月の電気料金が1万円だった場合、待機電力によるコストはその約5%、つまり約500円ほどです。
500円と聞くともったいないと感じるかもしれません、実際には、冷蔵庫やセキュリティシステムのようにオフにできない家電も多いため、ほとんど節約にならないでしょう。
節約を目指すなら、他の方法が有効です。
- 使用していない家電の電源を切る
- 冷蔵庫の温度設定を見直す
- エアコンを適切に設定する
- 電源をつけっぱなしにしがちな家電にタイマーを設定する など。
特に、待機電力が多いとされる家電には注意が必要です。
これには、ガス温水器、テレビ、エアコン、電話機、BD・HDD/DVDレコーダー、温水洗浄便座、パソコン、ネットワーク機器、インターホンセットなどがあります。
これらの家電の電源を、不要な時にはオフにしておけば節電に繋がります。
ただ、新しい家電の場合は、そこまで気にしなくても大丈夫かと思います。
わが家では、給湯器を使わない時に電源を切り忘れる事が多いことが気になっていましたが、最近壊れて新しく取り付けた給湯器は、少し時間が経つと電源パネルの表示が消えるようになっていました。
このように、最近の商品は、ひと昔前より電気代がかからないよう工夫されているものが多いです。
ブレーカーをオフにするかプラグを抜くか
節電を考えた時、ブレーカーをオフにするか、コンセントからプラグを抜くかは、どちらも電気の使用を止めることで同じ節電効果があります。
ただし、ブレーカーの頻繁な操作は推奨されておらず、かといって、プラグを何度も抜き差しすることによる電源コードやコンセントの摩耗も問題となり得ます。
この点では、プラグの抜き差しを丁寧に行うことや、節電タップを使うのが良い選択肢でしょう。
部屋ごとにブレーカーを落とせる場合、誰も使っていない部屋があるなら、その部屋だけブレーカーを落としておくという方法もありますね。
ブレーカーをオフにすべき時
前述の通り、停電や避難する際には、火災を予防するためブレーカーを落とすのが適切です。
電源が戻った時、特に自然災害による停電後は、電化製品が安全に使えるか確認後にブレーカーを再度オンにすることが重要です。
長期不在時はブレーカーを落とす?
家を長期間留守にする時や、約一週間家を空ける場合は、使用しない家電のプラグを抜いておくことが一般的です。
一週間程度の不在では、ブレーカーを切ることを考えない方が多く、節電を目的とする場合でも、待機電力への対策としてプラグを抜くか節電タップをオフにするだけで十分です。
先ほどもお伝えしたように、待機電力による1ヶ月の消費は大きくないため、ブレーカーを操作することは必ずしも必要ではありません。
1ヶ月を超えるような長期不在時には、ブレーカーを落とすとよいかもしれません。
ただ、電話やインターホンのように、電源を切れない機器があるため、落とせるところだけという感じですね。
ブレーカーを再びオンにする際、家電の時計設定などがリセットされるのを避けたいという人もいます。
長期間の不在では、むしろ、換気システムを稼働させたいと考えることもあるでしょう。
冷蔵庫の扱いには少し手間がかかるので、これを機に大掃除のつもりで片付けるか、電源を入れたまま出かけるかはケースバイケースかなと思います。